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【読書】ロジカルな田んぼ 松下明弘:著 日経プレミアシリーズを読んで 

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 静岡県で酒米の品種山田錦を有機/無農薬栽培
※もちろん食用のお米も生産している稲作の専業農家である著者。

 農家の8代目にあたる著者が、慣行農業といわれる方法から、有機/無農薬にした理由や考え方について語る本。

 この本を読んで、思うのは、大阪で生まれ育った自分の場合、
郊外のため田んぼは見慣れた風景にあったけど、それはすべて人=他人のものであり
食料と言えば、お米・野菜・魚・肉でも種類は問わずお金を払ってお店で買うしかないものだった。

 一方、三重県に来て暮らしてからは、
自分の家の田んぼがあり兼業農家として、仕事をしながらも先祖から受け継いだ田んぼでお米を作っている人。
庭先で家庭菜園を作って季節ごとに野菜を露地栽培している人。
 あたりまえのように、自分の手で日々食べるものを作っている人を見て素敵だなと素直に感動した。

 三重県ではおそらく慣行農業で生産している人が沢山いると思う。

 著者が本で語る、考えない農業。

 

なぜ、農薬を使うのか?

なぜ、その作業を行うのか?

 

 

 たしかに、著者からすると考えることが出来ていないのかもしれないが
食料生産をしていない自分には、その人達を非難する気にはなれない。
※もちろん著者も非難するつもりはなく。素直な意見を書いているだけど、なんとなく、慣行農業している=考えていないというレッテルを貼るような感じを受けてしまう。

慣行農業だろうと、有機/無農薬の農業だろうと、
どちらも、人が生きていくために必要不可欠な食料を生産しているという点で同じように尊敬できる。

 そんな気持ちがあるので、この本を読むと少しさびしい気分になる。

 農業は、長いあいだ保護政策をとりすぎたために、この本の著者のように
自分でいろいろ試してみる人にとってやりにくい制度/政策が長年続いてしまったことで、チャレンジ精神のある人が農業以外。自分でやったことが結果につながる別の産業へ移っていったのかな?と思う。

 これまた、実に残念な気持ちになる。
 
 TPPのニュースでもよく聞くが、本当に全面的に保護政策を解除したら日本の農業はなくなるのだろうか?
 農産物の流通は、もちろん育成するための経費や人件費が安い海外のものもあるだろうけど、輸送コスト/輸送や通関などの時間などの問題もあるので 消費地との距離感も競争上優位な点として残るので、保護政策をなくす=農業崩壊になるのだろうか?

 実験して本当に保護が必要な品目/実は保護政策がブレーキになっている品目がないのか、調べる機関が国にあればいいのにな?


 耕作放棄地も目立つようになった三重県。 
 お金を出せば、食料を買える。 
 それは、生産してくれる人がいてこそなんだけど、日本はいつまでそういう状態を維持できるかな? ちょっと心配だな。