イギリス人でありコンサルタント会社アンダーセンコンサルティン グ。ソロモンブラザーズ。ゴールドマンサックス社などで働いた後
42歳の時、文化財修理の会社「小西美術工藝社」 の社長に縁あって就任した著者が20年近い日本の生活の中で感じてきたこと。
第一章から四章までの間では、現在の日本の無駄・ 矛盾などを改善しない体質を批判する耳の痛いことをたくさん書い てある。繰り返し、繰り返し。
わかりやすい指摘だったが報道やネットで読む記事などで今まで見 たことがない、とてもわかりやすい理屈であり事実だった。
”自分に都合のいい話をくっつける” という部分でも触れているように、 そもそも今までアメリカに次ぐ世界第2位ということでGDPとい う言葉が政府・マスコミでよく使われてきたが、 都合の良いデータ・情報にすぐに飛びつき、 信じたい傾向があることを指摘している。
沢山ある本書の指摘は、日本人の自分の耳には痛いが日本が好きだからもっと良 くなってほしいという想いが伝わる文章だった。
第5章 「文化財保護」で日本はまだまだ成長できる
この中で解説されているイングリッシュヘリテージやナショナルトラスト運動と予算規模や発生する雇用の規模の解説。
日本でもこういう運動が生まれるといいな。
人気観光地誕生への秘密の中で、おかげ横町などの内宮門前町が、
一時期閑散とした風景になったが町並みを統一し、お伊勢参りの雰囲気を楽しめる工夫によって
観光客の獲得に成功した事例などを見た。
自分の所有地だからと、好き勝手な建物を好きなように建てることが出来るの日本。
世界の観光地に出て行く時に、その国/その土地にある伝統的な家屋が立ち並ぶ景観を楽しむ心があるのに
なぜか、自分の家。自分の地域ではその気持ちが生まれないのは”なぜ?”なんだろうなぁ〜
今も唯一江戸時代の雰囲気を残す東海道の宿場町
ようやく、そういう価値が認められるようになるのかもしれないな?