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百万分の一の歯車 松浦元男:著作を読んで

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百万分の一の歯車 松浦元男:著作を読んで


100万分の一の超極小の歯車を世界ではじめて開発・製作した樹研工業の創業経営者の著者

 1973年著者が企業会計を勉強するために忘れもしないとかいていた部分。
12月27日につけてラジオ。普段はテレビをつけるのになぜかラジオをつけたこの日にラジオから流れてきた
松下幸之助の二つの言葉
「手形は切りなはんな。苦しいときほど切りなはんな」と「何があっても毎月決算をしなはれ」という言葉


 そんなに昔から月次決算について、知られていたし、発信力の強い松下幸之助がラジオを言っていたのだなぁ~と
あらためて驚いた。

 自分の場合をふりかえってみると、個人自営業で独立してから法人化する段階まで、知らずにいた「月次決算」。

 今なら、本来 店を起こすなら当然知っておいて当然と思われる月次決算も知らないなんて・・・と思えるが
知らないから必要だということも当然しるよしもなかった(^^;
 1973年からすでに言われているセオリーを全く知らないでいた事が、ちょっと恥ずかしい。

いつも思うことだけど、経営するにあたって重要なセオリーである部分を
独立起業したものの知らないままの事というのは非常に多いと思うし、特に
教えてくれる人に出会うかどうか?という運次第の部分が多いように思う。


 このような、経営上、これは必要だと思われるような事を知る手がかりとして今回読んだ
樹研工業の社長さんのように、実際に起業を経営している人の著作を読むことで多くのヒントをいただけることに
感謝したい。

 そして、もし将来の職業について悩んでいる 考えている若い人がいたら
テレビなどであまり紹介される事がないけど、実はとても沢山の魅力的な中小企業、魅力的な社長が
日本にある/いることを学校で知るように出来たらいいなと思う。
 大企業が新卒の就職での人気ランキングで上位にいくのは、大手だから安心とか安定しているとかだけでなく
単純に名前が知られているから自然に上位にあるんじゃないかな?

 もし、自分が就職前の学生で、例えばこの樹研工業のある豊橋市に住んでいたとしたら
地元にあるこのようなすばらしい企業に就職して自分も仲間に入れてほしいと思うんじゃないかな?と思った。


 学校では、地元にある企業でこんなおもしろい会社があって、こんな事をやっている人がいるんだということを
授業で学ぶ機会があればいいなと思う。


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■本の中で記憶に残ったポイント
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P35 第二章
やっていい競争とやってはいけない競争の部分で書かれていた

われわれ中小企業が、他社とやってはいけない競争がある。
「価格、規模、品揃え」の三つである。うちは「技術、品質、財務内容」を重視し、勝ち続けてきた。この三つは中小企業が大企業と勝負するには絶対にかかせない原則である。

P38にはさらに規模を競ったら中小企業に勝ち目はない ことを詳しく述べている。
P41には一銭たりともまけない ことについても詳しく述べている。

P48銭勘定ができない経営者は失格
製造業の生命線となるのが技術力であるが、技術を伸ばすためには銭勘定が大事である。財務内容をよくするということである。

P51 自己資本比率は最低でも40%必要

P55 会計を知れば会社はつぶれない
今 中小企業の経営者に足りないものは会計の知識であると思う。会計を知らない経営者はすぐに表面上の数字でごまかそうとする。知識がないばっかりにごまかしてしまい、税務署ににらまれるのである。
・・・中略・・・儲かっている時代は、なんでもどんぶり勘定でもやっていくことができた。しかし、現在のようなシビアな時代では、どんぶり勘定は通用しないのである。

P87 技術の蓄積で時代の変化に対応する
うちの会社には確固たる技術の蓄積があったから、時代の変化に対応できた。技術を磨いておけばマーケットがどのように変わろうともなんとかなるというのがこの時得た教訓である。

P96 採用は先着順
 うちの会社では他の会社とは一風かわった採用の仕方をしている。先着順に採用するのである。「今年は三人」と決めたら、先に来たものから順に採用していく。あとからどんなに優秀なものが来ても「ごめんな。もう三人決まっちゃったんだわ。また来年おいで」と話して帰ってもらう。

P167 第六章 社長は誰よりも勉強しなさい

 経営者がバブル時代に遊びほうけていた会社の多くはつぶれてしまった。学ぶことをしない経営者は知識も教養もないので、時代を読むことも社員の仕事を正しく評価することも出来ない。経営者は一流の評論家でなければならないのだ。
※著者のいう評論家とは P176にあるように銭勘定のでいる評論家になれ、で詳しく述べている

P170 若い人が何か尋ねてきたときに大人がおおまじめに教えてくれる。そんなことが人生でとでも大事なことだと思う。だから、自分が大人になたとき、若い者がどんなにつまらないことを聞いてもきちんと教えなくてはいけないと思った。それが大人の務めである。


 経営者の方になら、かなりのおすすめ本です♪♪