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三重県鈴鹿市から仕事の事。興味のある事。鈴鹿の事など自分の為に書いています♪♪

【読書】私の履歴書 岡田卓也 小売業の繁栄は平和の象徴 を読んで


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【読書】私の履歴書 岡田卓也 小売業の繁栄は平和の象徴 を読んで

三重県四日市市の岡田屋をルーツとする流通業界の2大企業のひとつ イオングループ

2005年3月発行

三重県に縁がなく、ぼくと同じ年代(昭和生まれ)の人にとって 
三重県四日市市とは”四日市ぜんそく”という社会科の授業でならった公害の街のイメージがあると思う。

 ぼく自身もそうだった(^^;


 実際の、四日市は、山から海まである街で、海側のコンビナートなどのある「四日市ぜんそく」という公害で問題になった地区、
静岡県同様にお茶の産地である三重県のお茶生産地区や、鈴鹿山脈という山好きの方に人気のスポットのある地区。
などなど、自然や農業などが盛んな地区もある。



 そんな 三重県四日市市で岡田屋呉服店の7代目として生まれた著者。
地方の、お店から日本有数の流通グループを築いた人で、イオンショッピングセンターを利用するが
今回の本を読むまで、有名な人だが、まったく知らなかった。(^^;

この本を読んで、四日市の街は、おじいさんなど昔話をする時に言うように、著者も同じ事を書いていた事が印象的だった。

 白砂のキレイな海岸があり夏には海水浴が出来たほどの四日市の海。

今は、埋め立てされ、煙を出す煙突が沢山あるコンビナートに変貌した事を残念に思う気持ちがわかる 第一章の中にある文章だった。
 ふるさとの自然、もとに戻る事の無い失ったモノの大きさが 社会貢献に向かうキッカケになるのを今回もまた、気がついた。


 イオンショッピングモールが田舎にドカンと超巨大なモールを作って自然を破壊する一方で、
開業にあわせて植樹活動を行う。 

 なんでかな?と思っていたけど。

 理由として、ひとつは

四日市の海側にあった自然が高度成長期に一気に無くなり
著者の自宅の庭にある、南天の実がならなくなったり 杉が枯れるという現象に出会った強烈な実体験。

 商売とか経営とかいうのは、理想と現実の矛盾、相反する要求をどちらも叶えるために日々、工夫しながら行うものだから

 この本を読むまでは、田舎に突然超巨大店舗を出現させる方法と、植樹活動がどう結びつくのかよくわからなかったけども
今は、少し理解できる。
 自分の出来る事を真摯にやっている一人だなと感じた。
ふるさとの無くなった自然を思う気持ちが、イオングループの環境活動に結びついているんだな。

現在の四日市市は、工場の煙突から出る煙もずいぶんキレイになったけど、海水浴ができるキレイな海は無くなったままだ。
※今、埋め立て地には、公園が出来たりしている。


さらに、もう一つは、戦争と平和

環境活動/環境への意識とならんで強調しているのが 平和。

 三重県四日市市には、旧日本軍の燃料廠があったり 鈴鹿には基地や軍需工場があった事もあり
戦争ではアメリカ軍で空襲で四日市を中心に焼け野原になってしまった事。

 そんな実体験が、
「平和なら安心して生活ができる。小売業は平和があってこそ成り立つ産業で、平和の象徴」  
という、この本の副題にもなっている言葉は著者の 小売業=平和の象徴 を 繁栄させていきたい。
そういう想いにつながったのかな?と思う。


先日のIwatani創業者の本を読んだ時も思ったし、出光創業者の本を読んだ時も思ったけど
戦争という個人のチカラでは、どうする事もデキナイ時代を生きて、自分の出来る事を追求してきた人は
強い。 


 こういう大先輩の人達の本を読むと、厳しいと思える現代でも、まだまだ、やれる事がある
と感じる。

 大げさだけど、名前も知らない直接、間接のご先祖様が沢山いて今の自分がいる事。
感謝して、次の時代が今よりも 1mmでもよくなっているようにがんばっていこう♪♪

 

三重県出身の大経営者。「大黒柱に車をつけよ」という立地戦略の方針ともいえる家訓など
興味深い著者の本。もう少し、他の本も出ていないか探して読んでみよう♪♪


たにがわ  2012年4月


土の思想 火の経営 岩谷直治の行き方 硲宗夫:著 東洋経済新報社を読んで


評伝 出光佐三―士魂商才